第485章 海野桜が消えた

海野桜は少し困った様子で言った。「10分では足りないかもしれないけど…」

「じゃあ、中に入って探すよ!」東山裕はまばたきもせずに言った。

海野桜:「……」

彼女はやはり10分以内に急いで出てきた方がいいだろう。東山裕が中に入ってきたら、我慢するしかない!

海野桜は急いでトイレに行き、東山裕はオフィスデスクに座って、カウントダウンを始めた。

実は彼もこんなに用心深くしたくはなかった。

今日はどうしたことか、少し落ち着かない気分だった。

おそらくここ数日の緊張が、今になって疲労反応として現れているのだろう。

東山裕がそう考えていると、突然めまいを感じた。

次の瞬間、脳に鋭い痛みが走った——

目の前が一瞬真っ暗になった。

東山裕は深呼吸をして、こめかみをさすると、頭がだんだんはっきりしてきた。