第312章 - 彼女を責められない

サブリナは慌てて涙を拭い、周りを見渡すと誰もいなくなっていることに気づいた。

マチルダが甥や姪を堕胎しようとしていることが頭から離れなかった。

「大丈夫よ」と彼女は言い、ロビンに涙目を見せないようにした。

彼は、なぜ彼女の親友が離れていってしまったのか不思議に思った。

「いや、大丈夫じゃない。何があったのか教えて」と彼は優しく促し、建物から車へと彼女を導いた。

サブリナはマチルダの警告が頭から離れなかった。

ロビンとデビンが和解した今、ロビンがデビンに話さないという保証はどこにあるのだろう?

一人で抱え込むには重すぎる秘密だったが、誰を信用して打ち明けられるというのだろう?

「本当に大丈夫」と彼女は無理に笑顔を作り、うつむいた。

どんな状況であれ、信頼して打ち明けてくれた親友を裏切りたくなかった。