翌朝。
ベラは、隣で動く気配を感じ、まつ毛がパチパチと動いた。目を開けたが、まぶしい光で目が眩んでしまい、また閉じてしまった。
目が慣れてくると、トリスタンの明るくも落ち着いた眼差しが自分を見つめているのに気づいた。彼の顔が、とても近くにあった。
彼女は驚いて、視界を調整するために何度か瞬きをし、彼のハンサムな顔を目に焼き付けた。
「おはよう、セクシーな妻よ…」
トリスタンの魅惑的な声は、彼女の心を狂わせるのに十分で、彼の腕の中に飛び込んで、セクシーで温かい唇にキスをしたくなった。
しかし、彼女は息を吐くと同時にその欲望を押し殺した。下の「弟」を目覚めさせてしまうのが心配だったからだ。今、彼らと一緒に寝ている息子に、朝から親密な様子を見られるのは困るだろう。
深いため息をつき、ベラは毛布の下に顔を隠した。まるで食べられそうな目つきでトリスタンに見つめられるのが恥ずかしかった。
「愛しい妻よ、なぜまだ恥ずかしがるんだ?君の美しい朝の顔を見るのは初めてじゃないのに…」とトリスタンは言った。
ベラ、「…」
彼女は毛布の下で身動きもせず、話すことさえできなかった。
しかしすぐに、トリスタンは彼女の頭から毛布を引っ張り、赤らんだ顔を露わにした。彼女はあまりにも可愛らしく、他の人に彼女の可愛らしさを見せたくないと思うほど、この部屋に閉じ込めておきたくなった。
ベラは彼の顔が近づき、情熱に燃える目を見た瞬間、彼の逞しい胸に顔を埋めた。
「お願い...からかわないで、トリスタン!息子が起きちゃうわ」と彼女は、ダックスに聞こえないよう、かすかな声で言った。
トリスタンの唇から柔らかな笑いが漏れ、ベラは少し眉をひそめて顔を上げ、彼の表情を確認した。
「妻よ」トリスタンは手を彼女の腰に置き、より近くに引き寄せた。彼女の睨みに気づき、安心させるように言った。「心配いらない、息子は既に自分の部屋に移動したよ。恥ずかしがる必要はないんだ…」そう言って、優しく彼女の額にキスをした。
「いつの間に?私、気づかなかったわ」ベラは起き上がって、昨夜息子が寝ていたベッドの反対側を確認しようとした。空っぽの場所を見て、トリスタンの方を眉をひそめて振り返った。