彼らがこちらで選び終わってまもなく、伊藤卓が到着した。
矢崎粟たちがトラクターで去った後、伊藤卓は道で薪を拾っていたおじいさんに手伝ってもらい、三輪車で送ってもらった。
テーブルに残された食材を見て、伊藤卓は迷わず魚一匹を持っていき、ジャガイモ数個と青菜一束だけが残された。
そして矢崎美緒と矢野常、岡田淳の三人は30分後に到着した。
三人は牛車に乗っており、表情はあまり良くなかった。
牛車には持ち主が何かを運んだらしく、乾いた土だらけで、牛も決して清潔ではなく、矢崎美緒の白いワンピースは灰色に変わり、目立たない黒い点も付いていた。
三人は道中で牛車を引くおじいさんに出会い、乗せてもらえるよう頼んだが、おじいさんは畑の肥料まきを手伝うことを条件に出した。三人は強烈な肥料の臭いに拒否したかったが、歩く勇気もなく、歯を食いしばって手伝うしかなかった。