彼らがこちらで選び終わってまもなく、伊藤卓が到着した。
矢崎粟たちがトラクターで去った後、伊藤卓は道で薪を拾っていたおじいさんに手伝ってもらい、三輪車で送ってもらった。
テーブルに残された食材を見て、伊藤卓は迷わず魚一匹を持っていき、ジャガイモ数個と青菜一束だけが残された。
そして矢崎美緒と矢野常、岡田淳の三人は30分後に到着した。
三人は牛車に乗っており、表情はあまり良くなかった。
牛車には持ち主が何かを運んだらしく、乾いた土だらけで、牛も決して清潔ではなく、矢崎美緒の白いワンピースは灰色に変わり、目立たない黒い点も付いていた。
三人は道中で牛車を引くおじいさんに出会い、乗せてもらえるよう頼んだが、おじいさんは畑の肥料まきを手伝うことを条件に出した。三人は強烈な肥料の臭いに拒否したかったが、歩く勇気もなく、歯を食いしばって手伝うしかなかった。
小島一馬は石のベンチに座り、遠くから三人の体から漂う不快な臭いを嗅ぎ、眉をひそめ、露骨に袖で口を覆った。
矢崎美緒の丁寧なメイクは崩れ、遠くからテーブルの上にポツンと残された食材を見て、小島一馬を見上げ、またあの甘えた口調で「私たち、あなたのチームに入れてもらえませんか」と言った。
「だめだ、僕はもうチームメイトがいる」小島一馬は即座に断った。彼は矢崎美緒が好きではなく、彼女とチームを組んでは食事もできないだろう。
それに今は確かにチームメイトがいるのだから、チームメイトの気持ちも考慮しなければならない。あの矢崎粟という女の子が目の前の女性を好まないことを覚えていた。
「小島一馬さん、食材を少し分けてもらえませんか」矢野常も近づいてきた。今夜、三人で野菜とジャガイモだけを食べるわけにはいかないだろう。
小島一馬は尋ねた。「なぜですか?自分の実力で手に入れた食材を、なぜあなたたちに分けなければならないのですか」
矢野常は顔を曇らせたが、怒りを表すこともできず、ぎこちなく笑って「みんなここで一緒に生活するんだから、お互い助け合わないと。今度あなたが必要な時は……」
矢野常の言葉は途中で小島一馬に遮られた。「僕が必要とすることはありません。ありがとう」
彼は矢野常が好きではなかった。この人は偽善的すぎる。