矢崎美緒の言葉に、岡田淳は思わず笑ってしまった。「草を抜くのがそんなに難しいわけないでしょう。サボりたいなら、もっとマシな言い訳を考えなさい」
「サボってなんかいないわ。本当に苦手なの。人には得意不得意があるものでしょう」矢崎美緒は相変わらず言い返した。
「もういいかげんにして。美緒ちゃんは小さい頃からこんな仕事したことないから、できないのは当然よ」
矢崎若菜は本来、矢崎美緒と岡田淳の言い争いには関わりたくなかった。男として距離を置きたかったのだが、岡田淳の攻撃的な態度を聞いているうちに、美緒への思いやりが理性に勝ってしまった。
「美緒、疲れたなら、そこで休んでいていいよ。お兄ちゃんがやってあげるから」彼は矢崎美緒の側に寄り、頭を撫でようとしたが、手が土だらけなのに気づいて下ろした。