020 草むしり

矢崎粟たちが食事を済ませてしばらく休んでから、スタッフがようやくタスクカードを持ってきた。おそらく矢崎若菜のグループを待っていたのだろうが、そのグループの進行があまりにも遅かった。

矢崎粟はタスクカードを受け取り、素早く目を通して、今日の主な撮影内容を理解した。

林監督は皆が農作業に慣れていないことを考慮して、あまり難しい課題を設定しなかったようだ。もちろん、難しすぎる作業で皆が余計な手間を取ることを心配したのかもしれない。

矢崎粟たちが受け取った任務は、村の高齢者たちの田んぼの除草を手伝うことだった。

この村は比較的辺鄙な場所にあり、村に残っている若い労働力は少なく、そのため多くの高齢者たちは足腰が不自由になっても、まだ農作業を続けなければならない状況だった。

番組の撮影に来たゲストたちが、できる範囲で手伝いをするのはちょうどよい機会だった。

番組スタッフは既に田んぼの区画分けを済ませており、一畝の除草を終えるごとに一種類の野菜と交換でき、三畝の除草を完了すると番組側が用意した肉類の中から好きなものを一つ選べる。ただし、一日のうちに番組側が定めた量を完了しなければならず、一畝でも足りないと累積した食材から一つ差し引かれる。また、規定の任務を先に完了すれば、食材を優先的に選ぶことができる。

矢崎粟はこのような設定がとても公平だと感じた。多く働けば多く得られ、少なければ少なく得られる。

他のメンバーも特に異議はなく、矢崎若菜と矢野常がまだ水汲みに苦労している間に、矢崎粟のグループは既に番組スタッフと共に村の山際にある田んぼへと向かっていた。

矢崎粟が見渡すと、一面緑の景色が広がっており、その多くは雑草で、作物の若芽はほとんど雑草に覆われていた。

早めに除去しないと、確かに収穫に大きな影響が出るだろうが、村に残る高齢者や子供たちだけでは、雑草が急速に成長するこの季節に田んぼをきれいに保つのは難しい。

矢崎粟は番組スタッフが用意した手袋を受け取った。これだけの雑草があり、苗が見えないため、手でゆっくりと抜くしかない。道具を使うと、生まれたばかりの若芽を傷つけてしまう可能性が高い。