数人は素早く荷物を片付け、岡本さんと一緒に昼食を食べに行きました。最後に五杯の素麺で三十五元かかり、みんなはこんなに美味しい麺がたった七元というのは本当に価値があると感心しました。
その後、みんなはおばあさんの家へのお土産を丁寧に選びました。ほとんどが果物や牛乳、ギフトセットなどで、七十元ほどかかりました。田舎の人は食べ物を重視しますし、町でも他の選択肢がなかったのです。
数人は岡本さんのトラクターに乗って村に戻りました。手元に残ったのは百元にも満たず、みんなは心が痛みました。本当にお金を使うのは簡単だけど、稼ぐのは難しいものですね。
おばあさんの家にお土産を届けて家に戻ると、矢崎若菜たちがまだ家にいて、彼らの歪んだ竹かごが庭に散らかったままで、誰も気にしていませんでした。
森田輝と矢崎粟は目を合わせて、口を押さえて笑いました。
歌の神様は結局断られたのですね。
番組スタッフはその後タスクを設定せず、午後の時間は全て彼らのものとなりました。
「この前、八十歳を超えたおばあさんたちがいて、そばに子供もいないので、何か手伝えることがないか見に行きたいんです。部屋の掃除でもいいですし」と矢崎粟は簡単に身支度を整えながら森田輝に言いました。
「私も行く私も行く!私たちがここにいる日程はもう半分過ぎちゃったけど、村の人たちは私たちにとても親切にしてくれたから、私たちも手伝うべきよね」森田輝はもう以前のように休むことばかり考えているわけではなく、矢崎粟の提案に非常に積極的に応えました。
「じゃあ一緒に行きましょう」そうして二人は手を繋いで出発しました。
今回は時間に余裕があり、番組のタスクもないので、二人は道中の景色も楽しみました。
時々通りかかる野良犬は、遠くから二人に向かって吠え、近づくと素早く逃げ出し、また振り返って吠えるのでした。
二人は近所の独居老人の家から始めて、簡単に庭を掃除し、部屋を片付け、中には髪を洗ってあげた老人もいました。
一軒終わるごとに、老人たちは彼女たちの手を取って、昔の懐かしい物語を語ってくれました。
たくさんの物語を聞くうちに、心が揺さぶられ、森田輝はある老人夫婦の若かりし頃の物語に涙が止まらなくなりました。
「もういいよ、夕方の風は強いから、可愛い顔に気をつけて」