矢崎美緒は元々300万人以上のフォロワーを持つSNSアカウントを持っていましたが、わずかな時間で5分の1のフォロワーを失い、フォロワー数は200万人台に落ちました。
矢崎美緒と提携していた多くのブランドも次々と電話をかけてきて、もし紫音がこの件を早急に処理して矢崎美緒のイメージを回復できなければ、契約期間終了後は矢崎美緒との契約更新を検討しないと婉曲的に伝えてきました。
さらに、紫音が矢崎美緒のために苦心して獲得した国際的な大手ブランドとのコラボレーションも水の泡となりました。
矢崎弘が何度も国際ブランドの担当者に電話をかけて取り成そうとしましたが、最終的に相手側は提携リスクが高すぎるという理由で、矢崎美緒とのコラボレーションを拒否しました。
さらにこれらの国際ブランドは、矢崎美緒との提携を拒否した後、紫音の他のタレントとの提携も選ばず、すぐに宜興エンターテイメント所属のタレントと提携契約を結びました。
そして宜興エンターテイメントは提携達成後、こっそりと金を数えるどころか、大々的にツイートを投稿して祝い、さらにそのツイートを有料で宣伝したのです。
一気に業界全体が、紫音の手中にあった案件が失われ、しかもライバルである宜興エンターテイメントの手に渡ったことを知ることとなりました。
矢崎弘は奥歯を噛みしめました。宜興エンターテイメントは明らかに紫音を標的にしており、小島家の将来の権力者となる小島一馬のために立ち向かおうとしているのは明白でした。
しかし、宜興エンターテイメントのこのような露骨な嘲りに対して、紫音に何ができるというのでしょうか?
宜興エンターテイメントは小島グループを後ろ盾に持つ大企業で、紫音の背後にある矢崎家は名門と言っても、小島家と比べれば単なるエンターテイメント業界の成り上がりに過ぎず、矢崎家は小島家に手を出せるような存在ではありませんでした!
「いいだろう、この屈辱は我慢してやる。小島家の面子を立ててやったということにしよう!」
矢崎弘のアシスタントは上司のこの歯を食いしばるような「寛容な」発言を聞きながら、心の中で皮肉っぽく思いました:小島家の面子なんて関係ない、単に弱い者いじめを恐れて小島家に勝てないだけだ!
矢崎弘が頭を抱える一方で、番組に参加している人々は平和な時を過ごしていました。