矢崎美緒は言い終わると、自ら矢崎若菜の頬にキスをした。
彼女が矢崎家に養子として迎えられて以来、矢崎家の兄弟たちにより可愛がってもらうため、幼い頃から積極的に彼らに親密な仕草を見せていた。
小さい頃は、彼らに額や頬にキスをして慰めてもらうことを自ら求め、お返しとして、彼女も同じように彼らにキスをしていた。
彼女の予想通り、成長した後も長男以外の兄たちとはこの親密さを保ち、関係はますます良好になっていった。
矢崎美緒の心の中では、三人の兄を自分だけのものとみなし、他人が手を出すことは絶対に許さなかった。
矢崎美緒と矢崎若菜が兄妹の情を存分に見せている時、彼らの一挙手一投足が全て生中継されていることなど、まったく気付いていなかった。
二人が抱き合っている時から、彼らの行動は配信ルームの視聴者たちにはっきりと見えていた。