矢野常は激しく拒否した。「私は同意しません!」
矢野おじい様は彼が拒否することを予想していたかのように、怒った様子も見せず、ただ静かに言った。「お前がやめたくないのなら、今後矢野家の事業のことは考えなくていい。」
矢野常が矢野家の事業を得られないと聞いて、矢崎美緒は矢野常以上に動揺を見せた。
彼女は矢野常の腕を掴み、彼が口を開く前におじい様に言った。「矢野おじいさん、私は今後常さんとの付き合いをやめます。どうか怒らないでください。私のせいでこんなに優秀なお孫さんを見捨てないでください!」
冗談じゃない。彼女が最初に矢野常に近づいたのは、彼が矢崎粟の彼氏だったからだけでなく、矢野家の後継者だと見込んでいたからだ。
もし矢野常が後継者の地位を失えば、彼女のこれまでの努力は全て無駄になってしまう。