173 優勝

矢崎粟はダンジョンの背景ストーリーを読み、ダンジョンのメカニズムを研究した後、ネットカフェの管理者から紙とペンを借りて、玄学と数学を使ってクリア方法の推論を始めた。

矢崎粟が推論を行っている間、カメラマンは彼女の要望に応じて机の表面を撮影せず、常に手のひらより上の部分だけを撮影していた。

推論の機密性を確保するため、小島一馬は特別に個室を借り、部屋の中には彼ら三人、カメラマン、そして制作スタッフ一人だけがいた。

矢崎粟はこの推論に時間がかかると予測したため、小島一馬に伊藤卓に連絡を取らせ、彼らのグループにこのゲームに詳しい人がいるかどうか尋ねさせた。

彼らは二つのグループで協力して今夜の大会に参加し、賞金は各グループの参加人数に応じて分配することができる。

伊藤卓は優勝賞金が2万元だと聞いて心が大きく動いた。たとえ彼らのグループから一人だけが参加しても、賞金の3分の1を獲得できる。

3分の1の賞金でも、レストランでの2日分の公演収入に匹敵する。

彼らのチームの臨時ゲストがちょうどこのゲームをプレイできたので、伊藤卓のグループもネットカフェに駆けつけた。

伊藤卓は他のメンバーに公演を続けさせる予定だったが、現在は生放送中のため、テレビ局が新たな配信ルームの追加を認めず、グループ全員で行動せざるを得なかった。

矢崎粟のグループも例外ではなく、メンバーと共に場所を移動し、大会が開催されるネットカフェで個室を借りて推論を続けた。

ネットカフェのオーナーとの交渉の結果、大会中の配信を快く承諾し、制作チームは感謝の意を示すため、配信ルームでこの大会の宣伝を行うことを提案した。

林監督の計画は小島一馬の元プロゲーマーとしての名声を利用して番組に視聴者を集めることだったが、この考えは最終的に実現し、多くのゲームファンが配信ルームに殺到し、小島一馬の試合での姿を再び見たいと思った。

このゲームにはダンジョンモードの他に対戦モードがあり、対戦モードは5v5と3v3の2種類があり、小島一馬は以前5v5対戦モードのプロプレイヤーだった。

彼は以前3v3モードをあまりプレイしていなかったが、数回のウォーミングアップ試合で以前の感覚を取り戻し、2人のチームメイトとの連携で順調に決勝戦に進出した。