この件は矢崎家で解決すべきことで、必要がない限り矢崎粟は助言をしないつもりだった。矢崎家の人々は長男以外、彼女とは無関係だった。
「わかった……」矢崎弘はため息をつきながら言った。
彼も理解していた。今の矢崎粟がこれらを話してくれるだけでも十分な親切で、彼には矢崎粟に解決策を強要する権利はなかった。
結局は自分で何とかするしかない。
矢崎弘は少し考えてから、静かに尋ねた。「この件を三弟と四弟に話すべきかな?」
彼はこの件を知っていながら黙っているのは、心苦しく感じていた。
「ふふ……彼らが信じると思う?」矢崎粟は意味深な笑みを浮かべながら、首を振って言った。
あの二人は矢崎美緒の忠実な番犬だ。話したところで、絶対に信じないだろう。
まずは体験させてから、後で話した方がいい。