193 また話題入り

「くそっ、また彼女がトレンド入りしてる!」矢崎美緒は慌ててスクロールし、矢崎粟のニュースを見たくなかったが、誤ってエンターテインメントニュースをクリックしてしまった。

しかしそのニュースでも、矢崎粟への賞賛ばかりで、彼女が新世代のトップスターになるだろうと予想されていた。

コメント欄も全て賞賛で、矢崎粟がより遠くまで行けることを願うものばかりだった。

これら全てが、矢崎美緒を狂おしいほど嫉妬させた!

「未来のトップスターは私よ。あの子は矢崎家に捨てられた娘で、本当の矢崎家のお嬢様は私なのに、あなたたち何もわかってない!」矢崎美緒は叫び、怒りに任せてスマートフォンの電源を切り、小さな機械を取り出した。

機械は黒色だった。

大きさはスマートフォンの三分の一ほどで、一見何の変哲もないように見えた。矢崎美緒はしばらくそれを触っていたかと思うと、三回クリックした。