三人が揃ったのを見て、矢崎美緒は立ち上がり、お椀でお粥を三人の兄たちに注ごうとした。
「自分たちでやるよ」矢崎弘が立ち上がって言い、お椀を受け取ろうとしたが、矢崎美緒にお椀を押さえられた。
彼女は哀れっぽく言った。「これは妹がすべきことです。二番目のお兄さん、私にやらせてください。お兄さんたちは座っていてください」
矢崎弘がまだ取ろうとしたが、隣の矢崎若菜に引き戻された。「妹にやらせてあげなよ。妹と争って何になるの?」
仕方なく、矢崎弘は流れに従って言った。「わかったよ。美緒、僕の分を注いでくれ。熱いから気をつけてね」
その言葉が終わるや否や、矢崎美緒が「あっ!」と叫び声を上げた。
彼女は足を滑らせて転んでしまい、手に持っていたお粥も全部こぼれてしまった。手の甲は大きく火傷して赤くなっていた。「熱い!」