222 不運

入札書は投函口に引っかかり、人々の往来の中でぐらぐらと揺れていた。

理屈では、この時誰かが入札に来れば、入札書を押し込むことができたはずだ。

しかし不運なことに、近くのガラス窓が大きく開いており、風が吹いてきて入札書が地面に落ちてしまった。

誰も入札書が吹き飛ばされたことに気付かなかった。

入札書は次第に踏まれて汚れ、埃まみれになり、最後には清掃員によってゴミ箱に捨てられてしまった。

ここで、監視カメラの映像は終わった。

ホールの人々はざわめいた。入札書がこうして清掃員に掃き捨てられるとは、川上夕子も本当に運が悪い。

とはいえ、彼女の不注意も原因だった。

あの時振り返って確認するか、完全に投函されるまで待っていれば、こんな結果にはならなかったはずだ。

周りの騒がしい議論に川上夕子は心が痛み、後悔の念に駆られた。

こんな偶然が重なるなんて、誰が予想できただろうか。

川上夕子は自分の運気が徐々に減っていくのを感じ、運気の反噬が起こる可能性があると考え、心の中で不運に備えていた。

しかし、午前中の入札書にまで影響が及ぶとは思いもよらなかった。

とはいえ、考えても仕方ない。今は問題を解決することが最も重要だ。

川上夕子はすぐに係員の前に行き、「その入札書を探しに連れて行ってください!入札書が風で飛ばされたのは、あなたたちにも責任の一端があります。言い逃れはできません。あなたたちが見張りを置いていれば、こんなことにはならなかったはずです」と言った。

とにかく、彼女は最後まで諦めず、午前中の入札書を見つけなければならなかった。

その入札書は非常に重要で、川上家の復活がかかっていた。

「川上さん、清掃員が掃除してからかなり時間が経っていますので、見つけるのは難しいかもしれません。オークションハウスで入札確認時間を延長しますので、暗号区域で新しく書き直してはいかがでしょうか?」と係員は穏やかに尋ねた。

これはオークションハウス側の提案で、川上夕子が同意すれば、さらに2時間の時間を与えることができた。

川上夕子のペースなら、書き終えられるはずだった。

川上夕子は拒否した。「だめです、入札書を探し出します!」

今は運気が悪くなっているため、骨董品を見分ける能力がない。どうやって新しく書き直せばいいのか?