225 川上燕が見つからない

周囲に人が多かったため、川上夕子は心の中の不安を表に出さなかった。

彼女は入札用紙の不足している数字に従って、番号の近い骨董品を一つずつ探し、八つの数字を埋めていくしかなかった。

これが川上夕子が考えついた、損失を取り戻す最も可能性のある方法だった。

結局、以前の入札用紙には価値の高い本物の骨董品がたくさんあったので、もし運良く一つか二つ当たれば、元が取れるはずだった。

一時間半もぐずぐずしてようやく入札用紙を埋め終えた。

スタッフに促され、川上夕子は入札用紙を名残惜しそうに提出したが、どうしても心の中に不吉な予感が残っていた。

その時、川上海未も人を連れて戻ってきて、息を切らしながら言った。「四方を探し回ったが、まだ川上燕は見つからない。誰も彼女を見ていないと言っている。」