保管場所に着くと、ボディーガードの一人が口を開いた。「昨夜、奇妙なことが起きました。」
続いて、もう一人のボディーガードが話し始めた。
「夜中に誰かがドアをノックする音が聞こえて、私と田中が開けに行きました。残りの三人は部屋に残っていたのですが、戻ってみると三人とも気絶していました。」
「そして、金庫に貼ってある符紙が次々と燃え始めたんです。とても不気味な光景でした。確認してみると、金庫は誰かに触られた形跡がありました。」
ボディーガードたちの話を聞いて、渡部悠人は背筋が寒くなった。
彼は察した。きっと誰かが骨董品を盗もうとしたが、符紙に阻まれたのだと。
ボディーガードまで気絶させられたことを考えると、当時の状況がいかに危険だったかが想像できる。この符紙がなければ、おそらくこれらの骨董品は全て消え去っていただろう。