矢崎粟はこの男性の装いを見て、ほぼ確信した。この一般人こそが今回の神秘的なゲストに違いないと。
視聴率のためにも、ディレクターは彼に番組への参加を勧めるはずだ。
矢崎粟は矢崎政氏に向かって言った。「彼に聞いてみて。私たちのバラエティ番組に参加したいかどうか。無理強いはしないでね」
矢崎政氏は頷いた。やっと矢崎粟の前で実力を見せられるチャンスが来たのだから、当然よい印象を残したかった。
矢崎政氏は前に進み出て、男性の肩を軽く叩いた。「こんにちは!」
古風な男性が振り向き、疑問に思った様子で矢崎政氏を一瞥した。「こんにちは、何かご用でしょうか?」
ライブ配信を見ている視聴者たちは、男性の正面の顔を見た。
やはり古風なイケメンだった!
とてもかっこよかった。
矢崎粟がそちらを見ると、玉のように整った顔立ちが目に入った。その優雅な雰囲気と相まって、断れない魅力があった。