264 職業差別

矢崎美緒は古風な男性を深く見つめ、この男が矢崎粟を好きにならないことを願った。できれば矢崎粟を非常に嫌ってほしかった。

「行きましょう!」矢崎美緒は矢崎若菜に声をかけ、二人は歩き出した。

二人は番組スタッフに連絡を取り、小島一馬と森田輝の居場所を聞いて、その場所へ向かって大股で歩いていった。

場所は彼らから1キロメートル離れたレストランだった。

その時、小島一馬はテーブルの皿を片付けていた。先客が食べ終わったばかりで、皿には食べ残しがまだあった。

彼はウェイターの制服を着て、手際よく片付けていた。

この2時間で、小島一馬はかなりの仕事をこなしていた。

「小島さん、ここにいたんですね!」矢崎若菜は前に進み出て、食器を片付けている小島一馬を驚いて見つめた。

小島一馬は二人を見ると、顔が一気に曇った。