矢崎若菜は元々むかついていたが、店員も服を選ぶのを嫌がっているのを聞いて、その怒りが一気に爆発した。「さっきは店長があなたに私たちの服を選ばせるように言ったでしょう?店長の言うことを聞かないつもりですか?」
連れてきたからには、服を選ぶのを手伝うべきだ。
それに、彼らはテレビ番組の撮影に来ているエンターテインメント界のスターで、こんな底辺の店員とは格が違う、身分はもっと上なのだ。
服を選ばせるなんて、彼女を持ち上げているようなものだ。
矢崎若菜の目に浮かぶ軽蔑の色を、麗子ははっきりと見て取った。彼女も怒りを覚え、「もし二人とも私たちの店で働きたくないなら、今すぐ出て行ってもいいわよ。ここはあなたたちが駄々をこねる場所じゃないし、私もあなたたちを甘やかすつもりはないわ」