澤田昇は笑いながら頭を掻き、にやにやと言った。「今、SNSで粟と一緒に競技をしていると投稿したら、友達はみんな嫉妬で死んじゃうだろうな。」
川上浩氏も期待に満ちた表情で、興奮のあまり何を言えばいいのか分からないようだった。
同時に、二人は小島一馬が何をするにしても粟の話を持ち出すことに気付いた。彼の目に宿る愛情は隠しきれないほどだった。
どうやら、ネットで言われているように、小島一馬は本当に粟のことが好きなようだ。
二人だけでなく、配信を見ている視聴者たちもそれに気付いていた。
【おやおや、小島一馬を見てよ。粟の話になると、なんて誇らしげな笑顔なの!】
【小島一馬が粟のことを好きなのは確定だね!】
【甘酸っぱいわね。今日もまた恋の予感。小島一馬は確かに粟に気があるみたい。】
【くっつけ!くっつけ!】
【粟に出会う前は、小島一馬はトップクラスの男神様だったのに、粟に出会ってからは粟のファンになっちゃったみたい。】
【ははは、小島様は本当に粟のことが好きみたいだね。】
【結婚!二人はお似合いすぎる。結婚しないなんてありえない!】
ファンたちは配信で、小島一馬に勇気を出して恋を追いかけるよう声援を送っていた。
小島家。
今日は小島家の集まりの日で、家族のほとんどが帰ってきており、おじいさまとおばあさまを囲んで談笑していた。
おじいさまの小島靖がソファの中央に座り、おばあさまの夏目智美がその隣に座っていた。
和やかな雰囲気の中、小島靖は突然孫のことを思い出し、笑いながら言った。「今日は一馬が配信をしているはずだ。おしゃべりしながら配信も見てみないか?」
「いいわね、いいわね!」
夏目智美も興味を示し、にこやかに言った。
彼女は家で暇なときにバラエティ番組をよく見ていて、小島一馬も番組に出演していると聞いて、よく見るようになった。
そうしているうちに、すっかりはまってしまった。
二人の老人はテレビの前で小島一馬の配信を待ち構え、番組のことをよく知っていた。
他の人々もそれを聞いて、みな賛成した。
小島一馬は家族の中で一番年下で、一番可愛がられている存在だった。家族全員が彼のことを大好きで、彼のバラエティ番組を見るのも楽しみにしていた。
小島の父の小島亭と母の中田織莉子は茶卓の横に座っていた。