ローリンも矢崎粟のことが大好きで、すでにファンクラブに入会していた。
小島靖は声高らかに笑い、嬉しそうに言った。「そういえば、一馬が番組に出てから、随分成長したように見える。昨日も服飾店で服の販売をして、より真面目に仕事をするようになり、かなりの収入も得たようだ。」
昨日の番組は、小島靖も見ていた。
孫の活躍ぶりに満足していて、一馬が番組収録で忙しくなければ、中華街まで飛行機で行って、孫が訪れた場所を見学したいくらいだった。
「そうですよね!一馬は本当に素晴らしいです。」夏目智美は目を細めて笑った。「粟も素晴らしい子で、気さくな性格で実力もある。私はあの子が大好きです。もし二人が本当に結ばれたら、私も嬉しいわ。」
矢崎粟は若い頃の夏目智美に似ていた。
矢崎粟を見ると、夏目智美は若かった頃の自分を見ているようで、あの青春時代が懐かしく感じられた。
何か思い出したように、夏目智美は小島亭を見て、厳しい表情で言った。「一馬の恋愛のことは、あなたたち二人は口を出さないでください。彼に自分で選ばせましょう。」
小島亭は成功したビジネスマンで、気品のある雰囲気を持ち、年齢を感じさせない外見だった。
彼は聞き終わると、困ったような表情で「母さん、もちろん干渉するつもりはありません。私たち小島家は商業的な縁談で事業を維持する必要はないし、嫁に対しても特別な要求はありません。人柄が良ければそれでいいんです。」
少し間を置いて、小島亭は続けた。「私たち夫婦は絶対に口出ししませんよ。それに、仮に私たちが口を出したとしても、一馬は聞く耳を持たないでしょう。あの子は自分の考えを持っていますから。」
この言葉を聞いて、夏目智美はようやく満足げに頷いた。
小島一馬は家族の中で最も愛されている子供で、小島靖と夏目智美だけでなく、矢崎の父母からも可愛がられていた。
だからこそ、家では自由奔放な性格に育ってしまったのだ。
中田織莉子は関西の優しい雰囲気を持ち、四十代とは思えないほど若々しい顔立ちをしていた。
彼女はテレビに目を向けながら、笑顔で言った。「一馬が好きならば、私たち二人も反対する理由はありません。この娘も素晴らしい子だと思います。一馬が彼女を射止められたら、早く家に迎え入れたいくらいです。」
小島一馬は家族の中で最年少で、結婚も一番遅かった。