大洋の向こう側にある国の首都。
高級ホテルの一室。
小林美登里はタブレットを見つめていた。その時、バラエティ番組の生放送が流れており、矢崎美緒が矢崎弘を連れて去る場面が映し出されていた。
今日は生放送があることを知っていたので、知らないうちに何かが起きないように見ておこうと思った。
そうすれば、ある程度の心の準備もできる。
矢崎正宗も午前中は予定がなく、ホテルに残っていた。彼は小林美登里の隣に座り、二人で生放送を見ていた。もし何か起きた時のために、事前に把握しておきたかったのだ。
タブレットの画面に映る矢崎粟の顔は、とりわけ美しかった。
彼女は群衆の中に立ち、乗馬用の服装に身を包み、髪を結い上げ、とても目立っていた。
アーチェリー場にて。
矢崎粟たち四人は集合し、チームメイトを探すためにチーム編成エリアへ向かった。
今回の大会でも、チームメイトが見つからない人が多く、彼らはチーム編成エリアでチームに選ばれるのを待っていた。
双方が同意すれば、チーム編成成功となる。
チーム編成エリアはアーチェリー場の外にあり、一帯が黄色いペイントで塗られており、非常に目立っていた。
黄色いエリア内に立っている選手は、まだチーム編成が成功していない人たちだ。
メンバーが不足しているチームは、エリアの外に出て気に入ったチームを探すことができる。
矢崎粟たちが近づくと、チーム編成エリアがバスケットコート二面分ほどの広さで、中には大勢の人がいることに気付いた。
一目見ただけで、とても賑やかで、様々な服装の人がいた。
事前に乗馬用の服装に着替えている人もいれば、まだ古風な衣装の人も、麻布を着ている人もいた。
小島一馬は困惑し、躊躇いながら尋ねた。「こんなに人がいるけど、どうやってチームメイトを探せばいいの?」
人が多すぎる!
びっしりと人が詰まっており、見渡す限り人の頭ばかりだった。
近づく前から、騒がしい議論や会話の声が聞こえてきた。一人一人に声をかけていったら、時間と労力がかかりすぎるし、効率も悪い。
矢崎粟は笑った。
彼女は藤田川の方を向き、ゆっくりと言った。「藤田大師、今回はあなたに選んでもらいましょうか?あなたの人を見る目を拝見させていただきたいです。」
玄学大師なら、チームに適している人を感じ取ることができる。