今や矢崎美緒は普段とは違う態度を取り、意図的に問題を引き起こし、理不尽な様子を見せていた。きっと何か企んでいるに違いない。
矢崎美緒は冷ややかに鼻を鳴らした。「チームメイトを孤立させるなら、もう一緒にチームを組むつもりはないわ。お互いに気持ちよく別れて、それぞれ新しいチームを選びましょう!」
彼女は急遽チームを変更し、もう矢崎粟と一緒にいたくなかった。
もし彼女が矢崎粟のチームにいれば、チームが勝っても矢崎粟たちの功績となり、矢崎美緒には関係ない。
逆に、チームが負ければ、観客は彼女たち二人が足を引っ張っていると思うだろう。
それに、昨日誰かが彼女の海外での過去をすべて暴露し、多くの運気を失わせた。その人物は矢崎粟である可能性が高い!
彼女は復讐したかった。矢崎粟にも苦しみを味わわせたかった。
しかし今は同じチームにいるため、手出しがしづらく、一挙手一投足が観客に見られている。だからチームを分ける必要があった。
矢崎美緒は今朝からずっと理由を考え、どんな口実でチームを分けるか考えていた。矢崎粟たち四人が同じユニフォームを着ているのを見て、心に思いついた。
小島一馬は矢崎美緒の言葉を聞いて、彼女の考え方に呆れて笑いそうになった。「わかったよ。君たちはわざと問題を起こして、これを口実にチーム変更したいんだろう?君たちが一緒にいたくないなら、無理に引き止めはしない。行けばいい!」
このチームは彼ら二人がいなくても、試合に出られないわけではない。
どうせ試合までまだ時間があるし、新しいチームメイトを見つける余裕はある。
矢崎美緒は心の中で喜んだが、表面上は怒りを保ったまま、「そこまで言うなら、もう私たちがここにいる意味もないわ。お兄さん、行きましょう!」
そう言って、彼女は矢崎若菜の手を引いて、外に向かおうとした。
一連の出来事で、彼女のネット上での評判は既に最悪で、多くの人々が彼女を嫌っていた。
そうなら、もう優しさを装う必要もない。
これからは、自分の本当の姿を見せ、彼女を裏切った人々に徹底的に復讐するつもりだった。
試合の時、矢崎粟を後悔させてやる。
一方、引っ張られていく矢崎若菜は、事態の展開が早すぎて頭が追いつかない感じがしていた。