矢崎粟は目を暗くし、笑いながら言った。「確かに気に入った馬がいます。今から連れてきます。」
そして、矢崎粟は自分のために白馬を選び、小島一馬のために紫色の馬を選んだ。
他のメンバーも慎重に観察した後、それぞれ最も気に入った馬を見つけた。
六人は馬を引いて、馬場の入口へと向かった。
入口では係員が馬を選んだ人と馬の名前を記録し、最後に六人に安全誓約書にサインさせた。
競技中に怪我をした場合、馬場は責任を負わないという内容だった。
全ての手続きが済んだ後、六人は馬に乗り、ゆっくりと弓道場の待機エリアへ向かった。
弓道場の入口付近で、六人は矢崎美緒と矢崎若菜に出会い、二人が新しいチームに加入していることを知った。
六人が通り過ぎる時、その二人はチームメイトと楽しそうに話しており、矢崎粟たちには目もくれなかった。
このチームと出会った時、新しく加入した二人のメンバーは驚きの表情を浮かべ、呆然としていた。
通り過ぎた後、矢崎粟は尋ねた。「このチームを知っているの?」
「このチームは去年の優勝チームです」と川上浩氏は言った。「彼らは試合中、非常に手荒な手段を使い、よく相手を怪我させます。去年、彼らと優勝を争ったチームの一人は、馬に蹴られて障害が残ったほどです。」
「誰も通報しなかったの?どうして今年も参加できるの?」と田中凛は眉をひそめて尋ねた。
澤田昇はため息をつき、「一番腹立たしいのは、彼らの手口が非常に狡猾で、故意の傷害と判定されにくいことです。だから、多くの人を傷つけても、まだ堂々と競技に参加できているんです。」
このようなチームとは、できるだけ関わらない方がいい。
正面から対決すれば、怪我をする可能性が高い。
矢崎粟は深い眼差しで尋ねた。「彼らの固定メンバーはずっと四人なの?」
そうでなければ、矢崎美緒たち二人も加入できないはずだ。
澤田昇は頷いた。「はい、毎年の大会で、彼らは二人の新人を加入させ、その新人を餌として相手を誘い込み、新人を前線で戦わせます。彼らは体力を温存し、優勝争いの最後の段階で、こっそり細工をするんです。」
「ひどすぎる」と田中凛は怒りを込めて言った。
試合で卑怯な手を使うなんて、軽蔑すべきことだ。