矢崎昌氏は暗い表情で、悔しそうに言った。「藤田大師に見てもらいましたが、時間がないと言われ、予定が空くまで儀式はできないそうです。」
この時になって、やっと藤田大師の実力がどれほど強いのかを実感した。
なるほど、藤田大師が断り、矢崎家の者に予約を取るように言ったわけだ。
竜田道士は目を輝かせ、笑いながら言った。「藤田大師が承諾してくれたのなら、じっと待つしかありませんよ!藤田大師に会えるだけでも非常に幸運です。普通の人は大師に一度会うことさえ難しいのですから。」
澤田道士もうなずきながら、「そうです。藤田大師は静寂を好み、めったに人に会わないのです。」
矢崎昌氏はため息をつき、ただうなずくしかなかった。
粟の顔を立てなければ、おそらく藤田大師は手助けを承諾しなかっただろう。