359 殺人犯

群衆の中から三人の大柄な男が出てきて、吉野誉司の行く手を阻んだ。

その中の一人が、まるでヒヨコを掴むように吉野誉司を掴み、矢崎粟の屋台の前まで連れ戻した。

吉野誉司は周りの見物人を睨みつけ、怒鳴った。「余計な口出しをするな!後で後悔するぞ!早く離せ!」

しかし、大柄な男たちはまったく動じることなく、彼に逃げる機会を与えなかった。

十数分後、警察が到着した。

矢崎粟は現場の状況を簡単に説明し、警察官たちはメモを取っていた。

拘束された三人は声を揃えて反論し、自分たちは冤罪だと主張し、警察に潔白を証明してほしいと訴えた。

一人の警察官が矢崎粟を見て尋ねた。「これらは全てあなたの玄学算術によるものですが、我々は証拠に基づいて法を執行する必要があります。彼らの犯罪の証拠を見つけることはできますか?」

矢崎粟は目を閉じ、つぶやいた。

しばらくして、彼女は目を開き、言った。「証拠があります。この三人は中華街の外で一軒の家を借り、庭に遺体を埋め、部屋には五人の子供と三人の女性が縛られています。」

この言葉を聞いて、吉野誉司の額から冷や汗が噴き出した。

彼は歯を食いしばり、震えを抑えた。

これは単なる女優どころか、矢崎粟はまさに玄学大師で、何でも見通せるのだ。

澤田武はまだ言い逃れを続けた。「何の家だ!俺たち三人は毎日南区のホテルに泊まってるんだ、全部お前の作り話だ。」

竜田敢も叫んだ。「そうだ、そんなの聞いたこともない。」

矢崎粟は警察官たちを見て、口を開いた。「私は家の具体的な場所を知っています。皆さん、一緒に行きましょう。行けば分かります。」

川上孝史は警察隊の小隊長で、今回の出動指揮を担当していた。彼は頷いて言った。「分かりました。では案内してください。」

それほど遠くないので、時間もかからないだろう。

もし本当に誘拐された子供たちがいれば、大きな功績となる。

川上孝史は地面に拘束されている三人を見て、大きな声で言った。「もし三人が冤罪であれば、警察はこの女性に謝罪を要求し、相応の精神的損害賠償金を支払わせます。三人とも我々と一緒に来てください。」

澤田武三人は必死にもがいた。

竜田敢は言った。「行きたくない、家に用事がある。こんな時間の無駄なことはしたくない。」