332 関係部門に通報する

矢崎粟は何気なく言った。「こんな運気を強奪する方法は禁止されているのに、誰が矢崎美緒にそんなことを教えたのか、本当に酷いことをしたわね」

矢崎粟がここまではっきり言ったのに、もし矢崎若菜が矢崎美緒を許すなら、もう救いようがないだろう。

矢崎若菜はそれを聞いて、顔色が一層青ざめた。

彼は胸が刺されるような痛みを感じながら、呆然と矢崎美緒を見つめ、何を言うべきか、何をすべきか分からなかった。

長年の献身は、すべて彼の自発的な選択だった。

最後にこんな結果になって、矢崎若菜の心臓は痛みに締め付けられた。彼は矢崎美緒が冷酷で、自分を家族とも思っていないことは分かっていた。

しかし、こんなにも残酷だとは思わなかった。彼がすでに40年も不運に見舞われているのに、矢崎美緒はさらに10年を追加しようとしていた。