矢崎粟は小さな家に入ると、広いカウンターが目に入り、そこには白髪の老人が伏せっていた。
管理室には老人一人しかいなかった。
老人は右手で黒い碁石を摘み、碁盤に打った。
彼は独り碁を打っていたのだ。
老人は顔も上げずに言った。「こんな遅くに、何の用だ?」
矢崎粟は答えた。「物を取りに来ました。」
そう言って、矢崎粟は袋から玉のペンダントと鍵を取り出し、スキャナーのような機械に鍵を置いた。
機械はブーンという音を立て、カラフルな光を放った。
老人は顔を上げ、玉のペンダントを一瞥して言った。「物は156号室の中、6番目の区画、12番目のロッカーの9番目の格子にある。この二つで開けられる。」
矢崎粟は頷いた。「ありがとうございます。」
そして、彼女は振り返り、保管館の内部へと向かった。