386 無罪釈放

矢崎粟は理解できず、逆に尋ねた。「私の師伯はおいくつなんですか?」

藤田川の表情が一瞬凍りつき、ため息をついた。

彼は首を振り、何も言わなかった。

矢崎粟は再び尋ねた。「矢崎美緒は師伯が送り込んだのですか?」

藤田川は再び首を振った。「その質問には答えられない。彼と私は同門だから」

彼には本当に力が及ばなかった。

矢崎粟は心が沈み、表情が少し重くなった。

彼女は最悪の事態を想定しなければならなかった。

そうでなければ、背後の人物と対抗するのは難しい。

藤田川は続けた。「この災難を乗り越えたいなら、自分の力に頼るしかない。この件は私には手助けできない。話してしまえば、反噬を受けるだけでなく、世界の正常な秩序にも影響を及ぼすことになる」

同じ玄学大師として、矢崎粟は彼の苦衷を理解していた。