午前二時になり、矢崎美緒はようやく少し良くなったと感じた。腹痛が収まり、すべてが正常に戻り、彼女はついに眠りについた。
午前四時、彼女は寒さで目が覚めた。ぼんやりとしながらベッドから降りて布団を抱えたが、それでもまだ寒かった。
翌朝六時、庭のおばさんが朝食を届けに来た。
おばさんが矢崎美緒の額に触れると、高熱を出していることに気づき、体温を測ると38度あった。
おばさんは矢崎美緒を病院に連れて行こうとしたが、断られた。
矢崎美緒は、これが普通の発熱ではないことを知っていた。病院に行っても意味がないだろう。
彼女は寒くもあり熱くもあり、うわごとを言い始めた。
ぼんやりとした意識の中で、竜田実子に電話をかけた。「竜田おばさん、私、熱が出たみたい。体が熱くて、とても辛いの」