407 澤蘭子と対峙する

小林美登里は心の中で悔しさと怒りを感じていた。

彼女は矢崎粟を憎んでいたが、ただ矢崎粟に不運を味わわせたり、少し傷つけたりしたかっただけで、殺すことなど考えたこともなかった。

結局は実の娘であり、そこまでの手は下せなかった。

しかし澤蘭子は再び彼女を利用し、知らないうちに共犯者にしてしまった。

もし彼女が本当に矢崎粟の髪の毛を手に入れて、呪いをかけていたら、矢崎家の全員から非難されていただろう。

そう考えると、小林美登里の心は爆発しそうだった。

矢崎政氏は話し終えると、母親の表情を慎重に観察していた。小林美登里の顔が次第に暗くなり、歯を食いしばっているのを見て、母親の怒りの炎を感じ取った。

今回はきっと二人の関係が決裂するだろう。この後、必ず動画を撮って矢崎若菜に見せなければならない。