421 動画の暴露を続ける

矢崎正宗は矢崎粟を見つめ、答えた。「あなたの言う通りにします。早くこの背後の人物を除去できることを願っています。」

息子の運気を奪われ、あんなにひどい目に遭わされた。

背後の人物はまだ捕まえられていない。これはあまりにも不公平だ。

矢崎粟は軽く頷いた。

藤田川は碁石を一つ置き、矢崎粟に微笑みかけた。「師妹の碁の腕前は本当に素晴らしいね。私の目に狂いはなかった。」

碁の腕前も、策略も素晴らしい。

矢崎粟は少し笑って、「師兄のお褒めの言葉は過ぎます。私の碁の腕前は師兄の前では初心者レベルです。」

矢崎正宗は二人が碁に集中しているのを見て、自ら退出を申し出た。

藤田川は頷いた。

そして、矢崎正宗は再び矢崎粟を見つめ、目に何か言いようのない感情を浮かべた。「粟、今回は本当にありがとう。君がいなければどうすればよかったか分からなかった。何か他に用事があったら、また電話してくれ。」

矢崎粟は軽く「うん」と返事をしただけで、それ以上は相手にしなかった。

矢崎正宗が去った後、矢崎粟は藤田川に言った。「師兄、あの背後の人物は本当に老獪で、すべての事を計算に入れていました。人証も物証もあり、一切の隙がありません。」

彼女は少し間を置き、藤田川の顔を見つめた。「私は疑っています...これが初めての犯行ではないのではないかと。」

相手は予期していたのだ。何か予期せぬことが起きるかもしれないと考え、あらかじめ証拠を用意していた。それを公開する時を待っていただけなのだ。

矢崎粟は推測した。その人物が運気を吸収する目的は、おそらく寿命を延ばすためだろうと。

藤田川は相変わらず穏やかに微笑み、お茶を手に取った。「師妹はいつも聡明だね。」

彼は直接は言わなかったが、暗示的な言い方をした。

矢崎粟は彼の言外の意味を理解した。

この一局が終わった後、矢崎粟は辞意を告げた。「師兄、私は明日中華街を離れます。お体にお気をつけください。」

藤田川は満面の笑みを浮かべ、傍らの小道士に手を伸ばすと、小道士はいくつかの贈り物の箱を持って近づいてきた。

藤田川はそれらを矢崎粟に手渡し、「道中お気をつけて。これらは中華街の特産品だから、持って帰ってください。」

矢崎粟は驚きの表情を浮かべた。師兄が特産品を用意してくれるとは思わなかった。