415 東京へ避難する

矢崎若菜は提案した。「お母さん、早く帰った方がいいわ。ここには政氏とお父さんがいるから大丈夫。呪術師にやられるのが心配だから」

中華街では、矢崎家の基盤は浅すぎた。

何か起きても、すぐに援助を得ることは難しい。

東京に戻ってからの方が安全だ。

小林美登里は呪いにかかって老けて醜くなることを考えると、少し動揺した。

しかし、澤蘭子がネット上で彼女を中傷する動画を投稿し、さらに呪術師を使って彼女を害そうとしたことを思い出すと、また怒りが込み上げてきた。

彼女は矢崎政氏を見て、冷たい表情で言った。「政氏、午後に撮った動画を私に送って。使いたいの!」

必ず仕返しをしてやる。

矢崎政氏は父親を見て、父親が頷くのを確認してから、「分かった、今すぐ送る」と言った。

小林美登里は動画を受け取るとすぐに助手に送った。