矢野寿も疲れた表情で「私も疲れたよ。これからはお母さんのことを、もっと気にかけてやってくれ。じゃあな」
そう言うと、彼は電話を切った。
矢野常は窓際に座り、茫然と座ったまま、しばらく考えてから、携帯を取り出して矢崎粟に電話をかけた。
しかし、かけてみると、ブロックされていることに気づいた。
彼は矢崎粟にメッセージも送ってみたが、赤い感嘆符が表示され、全ての連絡手段をブロックされていたことが分かった。
仕方なく、彼は小さなグループチャットにメッセージを送った。
グループには矢崎弘と矢崎若菜、そして彼の三人だけがいて、このグループは以前矢崎家を訪れた時に作られたものだった。
矢野常は少し考えてから、グループにメッセージを送った。【@矢崎若菜、母が喧嘩した後、気分を害して、呪術王に頼んであなたのお母さんを狙わせようとしています。家族に伝えて、矢崎夫人に気をつけるように言ってください】
このメッセージを送ると、矢崎弘が最初に返信した。
彼は不思議そうに尋ねた:【お母さんが喧嘩したの?なんで僕のお母さんを呪術王に狙わせるの?】
バラエティ番組の撮影が終わってから、矢崎弘は家のことに関心を持たなくなっていたので、母親と矢野夫人との確執についてもよく分かっていなかった。
矢野常はため息をつき、【詳しい状況は一言二言では説明できないよ。矢崎若菜に聞いてみて、彼なら知っているから】
メッセージを送った後、矢野常は携帯の電源を切り、ベッドに入った。
やはり少し眠ろう。こんなことを考えるのは本当に疲れる。
病室では。
家族で食事をしているところに、小林美登里は何件もの電話を受けた。全て彼女の喧嘩についての問い合わせで、急いで検索トレンドを確認するように言われた。
小林美登里は電話を切ると、すぐにアクセスして検索を始めた。
案の定、トレンド6位に矢崎夫人という文字を見つけた。
小林美登里は箸を投げつけ、見れば見るほど腹が立った。「一体誰が動画をネットにアップしたの?しかも私だけが映っているなんて!」
もし二人ともネットユーザーに笑われているのなら、小林美登里はここまで怒らなかっただろう。
しかし、動画には彼女一人が暴れている姿だけが映っていた。イメージが完全に台無しだった!