419 再び告発へ

矢崎正宗は大股で外へ向かって歩き出したが、頭はとてもはっきりしていた。

彼は決意した。東京に着いたら、必ず国の関係部門に苦情を申し立て、もう一度審査をやり直してもらおうと。

道家協会の門を出ると、矢崎正宗はますます違和感を覚えた。

彼は携帯を取り出し、矢崎粟に電話をかけた。彼女の意見を聞きたかった。結局、矢崎粟も玄学大師だから、きっと自分より経験が豊富なはずだ。

しかし電話をかけてみると、彼は矢崎粟にブロックされていることが分かった。

彼はため息をつき、矢崎泰に電話をかけた。

矢崎正宗は、矢崎泰と矢崎粟の仲が常に良好だということを知っていた。矢崎粟が矢崎家を離れた後も、矢崎泰とは連絡を取り合っていた。

電話が繋がると、矢崎正宗は事の経緯を説明し、矢崎泰に助けを求めた。

矢崎泰はすぐには承諾せず、「試してみることはできるけど、粟が嫌がるなら、僕にもどうしようもない」と言った。

彼は矢崎粟に、自分のために嫌なことをさせたくなかった。

矢崎家のことは、もう矢崎粟とはあまり関係がなかった。

矢崎正宗はため息をつき、「分かった。粟が嫌なら、無理強いはしない」と言った。

電話を切った後、矢崎正宗は入り口の馬車に乗り込み、座って待っていた。

もし矢崎粟が同意すれば、すぐに御者に彼女のいるホテルまで送らせるつもりだった。

矢崎粟はまだ中庭に座っており、矢崎泰からのメッセージを受け取った。

大体の内容は、矢崎正宗が彼女に会いたがっているが、彼女の意思を確認したいということだった。

矢崎粟は了解したと一言返信した。

そして、彼女は矢崎正宗の電話番号を探し出し、ブロックを解除して電話をかけた。

電話をかけるとすぐに出られた。

電話の向こうで、矢崎正宗は感謝の気持ちを込めて「粟、少し話があるんだけど、会ってもらえないかな」と言った。

矢崎粟は「藤田大師の庭園に来てください。私はここにいます」と答えた。

言い終わると、彼女は電話を切った。

その動作は素早く的確だった。

藤田川は傍らに座り、彼女のその行動を見て首を振って笑い、「心が軟化したのかな?」と言った。

そうでなければ、矢崎正宗を無視することもできたはずだ。