426 気運を吸収する

二人はこの奇妙な屋敷に入ると、冷たい風が吹き抜けるのを感じ、不吉な予感がして、あたりを見回す勇気もなかった。

矢崎美緒は今朝この山に連れて来られた。

竜田実子は彼女に、若返りたいなら、まずある場所に行かなければならないと告げ、矢崎美緒は二つ返事で承諾した。

この山頂に着いてから、矢崎美緒は何かがおかしいと感じ始めた。

ここはいたるところに巡回する人々がおり、厳重な警備が敷かれていた。

周囲は極めて静かで、鳥の声一つ聞こえず、不気味な雰囲気が漂っていた。

巡回している人々も皆無言で、それぞれが仮面をつけ、黒い体にぴったりとした服を着て、まるでいつでも戦闘態勢に入れるかのようだった。

竜田実子は二人を連れて来た後、老人に一礼して出て行った。

老人は二人に微笑みかけ、年老いた声で「座りなさい。私は他人ではないから、安心して」と言った。