432 訪問者が来る

矢崎粟は頷いて、お茶を一杯取り、一口飲んだ。

「ちょうどよかった。私もあなたたちに用があって、占いをしてみたら、まさかあなたたちが先に来るとは」これは、彼女が二人の身分を知っているということだった。

同時に、二人が来た目的も知っていた。

矢崎粟の前で、川上孝史は自分が裸にされたような気分で、プライバシーが全くなかった。

彼は鼻を触って、気まずさを隠した。

矢崎粟は直接言った。「何か用があるなら、直接言ってください。私は午後ちょうど暇なんです。他の時間だと、お手伝いできるかどうかわかりませんから」

彼女がそう言うのを聞いて、川上孝史も遠慮しなくなった。

彼は隣の冷たい印象の女性を見て、紹介した。「こちらは玄学管理所の第一部隊の隊長、鈴村薫さんです。彼女があなたと話したいことがあって、私があなたを知っていると聞いて、紹介してほしいと」

鈴村薫は少し笑って、「はじめまして、鈴村です」

矢崎粟は頷いて、「私に何か用でしょうか?」

彼女は玄学管理所との接点も、目の前の女性との面識もないはずだった。

ただ今日、玄学管理所の人と会うことは占いで分かっていた。

鈴村薫は頷いて、「お伺いしたのは、南西の呪術王についてお聞きしたいからです。彼は私たちが追跡している人物で、先日、私たちの部隊は中華街で彼を特定したのですが、また逃げられてしまいました」

「私たちの調査では、彼は姿を変えて東京に来ている可能性があります。あなたに彼の居場所を特定していただきたいのです」

一週間前、鈴村薫は中華街で呪術王を逮捕しようとしたが、また逃げられてしまった。

そのとき、川上孝史は彼女に、矢崎粟なら必ず呪術王を捕まえられると告げた。

当時の鈴村薫は、全く信じていなかった。

玄学管理所には多くの天才がいて、彼らはさまざまな分野の出身で、玄学に精通している者もいたが、誰も呪術王を見つけることができなかった。

一人の女優に、呪術王を見つける能力があるはずがない?

その後、川上孝史がその日三人の犯罪者を捕まえた話をし、鈴村薫はようやく少し信じ始めた。

呪術王は多くの悪事を働いており、一日でも早く捕まえれば、それだけ多くの人を救えるのだ。

その日、鈴村薫は贈り物を持って矢崎粟を訪ねたが、彼女はすでにチェックアウトしており、どこに行ったのかも分からなかった。