436 彼女の仕掛けた罠

澤蘭子は彼に呪術をかけるように頼んだ。

もし彼女が髪と血液を取り替えていなければ、呪術にかかったのは彼女自身だったはずだ。

呪術王は少し驚いて、「お前が知っていたのか?」

その後、彼は首を振り、ため息をつきながら言った。「なるほど、矢崎美緒が呪術にかかったわけだ。美緒が愚かだと思っていたが、お前の仕掛けだったとは!」

彼女は彼が矢野夫人に呪術をかけたことを知っていた。

しかし、彼が矢崎夫人にも呪術をかけたことは知らないはずだ。

そう考えると、呪術王は再び喜んで、にやにやしながら言った。「だがお前が知らないのは、私がもう一つ呪術をかけたことだ。お前の実の母親にな。もし解毒術を望むなら、私のために一つのことをしてもらおう。」

彼を逮捕させた犯人が矢崎粟だと気づいてから、彼の心にある考えが浮かんでいた。