448 世論の力

矢崎粟は道家協会のこの動きを見て、少しも驚かなかった。

背後の人物はこれほど長い間、たった一つの策を練っていたのだから、その手中の権力は小さくないはずで、当然、頭を下げることなど学んだことがなかった。

しかし、彼が知らないのは、世論は鋭い刃物であり、油断した者を血まみれにするということだ。

同時に、矢崎粟は道家協会にも善意を持った玄学師が多くいることを知っていた。

これらの玄学師は一般人の平穏のために奔走し、命を懸けても邪道修行者と戦おうとする、とても敬服に値する存在だった。

矢崎粟が事を大きくしたのも、悪事を人々の前にさらけ出し、道家協会により清浄な環境を取り戻したいと願ってのことだった。

背後の人物が隠蔽を選んだのなら、矢崎粟は次の計画を実行するしかない。

玄学管理所一班班長室内。

川上孝史はソファに座り、安堵した様子で鈴村薫に言った。「幸い、矢崎粟に頼まれた件を真剣に処理したよ。そうでなければ、彼女は必ず私たちの玄学管理所にも同じように騒ぎを起こしていただろうね。」

彼は南西の呪術王を捕まえた後、すぐに川上夕子の件の処理に取り掛かった。

川上孝史は上層部に捜査令状を申請したが、普段なら30分で通る捜査令状が、今回は3時間経っても通らなかった。

仕方なく、川上孝史は鈴村薫を探し、二人で申請し、さらに直属の上司に状況を説明して、ようやく捜査令状を手に入れることができた。

上司の話では、この捜査令状の発行には多くの妨害があり、取得できたのは本当に幸運だったという。

そして、二人は今日の昼に葬儀場に駆けつけ、あと少しで川上夕子の遺体が火葬されるところだった。

その後、鈴村薫は検死官を呼んで遺体を調べてもらった。

最終的に、川上夕子は正常な死に方ではないことが判明した。

彼女は首を吊る前に、すでに体内の生気が完全に失われており、まるで突然寿命を抜き取られたかのようだった。

遺体からは彼女の運気の状態を読み取ることができなかったが、これだけでも二人の班長が本格的に調査を行うには十分だった。

鈴村薫は事務机に座り、目をパソコンに向けたまま言った。「彼女は道家協会の権威に挑戦する勇気があるのだから、当然、私たち玄学管理所も恐れてはいないでしょう。しかし、川上夕子の死は殺人の可能性が高く、それは私たちが調査すべき事案です。」