454 逮捕令

矢崎粟は「うん」と返事をした。

車はまもなく矢崎粟の家の前に到着した。

矢崎粟は車から降りる前に、もう一度念を押した。「道家協会の上層部を重点的に調べてください。犯人はそこにいる可能性があります。くれぐれも気をつけてください。相手は実力が強いので、多くの人員を連れて行ってください。」

鈴村薫の目に異様な色が浮かび、軽く頷いた。

その後、矢崎粟はドアを開けて車から降りた。

彼女は言うべきことを言い尽くした。玄学管理所がどのように犯人を逮捕するかは、もはや矢崎粟がコントロールできることではなかった。

しかし矢崎粟は、できるだけ犠牲者を少なくしたいと願っていた。

玄学管理所のオフィス内。

川上孝史は執務机の前に立ち、証拠を一つずつ原部長に見せた。

彼は今日起こったことを最初から最後まで説明し、特に矢崎粟を招待したことについて詳しく話した。

原東は少し驚いた表情を見せ、「本当に優秀な人材だね。我々の一部に加わってくれるのは、一部の栄誉だ」と言った。

「そうですね!」川上孝史は嬉しそうに頭を撫でながら、誇らしげな表情を浮かべた。

矢崎粟は彼が最初に見出した人材だ。これは彼の目が確かだということを褒められているようなものではないか。

原東は彼の得意げな様子を見て、思わず笑いながら叱りつけた。「見ろよ、お前。尾が天まで上がりそうだな。わかったわかった、今すぐ逮捕令を出すよ。」

逮捕令があれば、逮捕に向かうことができる。

原東は文書を取り出し、自分の印鑑を押して川上孝史に渡した。

川上孝史はにこにこしながら言った。「ついでに矢崎粟の編外職員情報も登録しましょう。そうすれば彼女は逃げられませんよ。」

「いいよいいよ、今すぐやるよ!」

原東はこの若者を睨みつけてから、情報の登録を始め、登録が終わると編外職員の書類を一枚印刷した。

彼は言った。「後で書類を秘書課に届けてくれ。鈴村薫が戻ってきたら、すぐに逮捕に向かってくれ。必ず犯人を捕まえるんだ。」

「はい!」川上孝史は真剣な表情で答えた。

原東は何かを思い出したように続けた。「逮捕令が出されたら、岡本部長のところにも情報が届くだろう。彼は常々道家協会と密接な関係を持っているから、情報が漏れる可能性がある。犯人を捕まえられなくなるのが心配だ。」