「コンコン!」
ノックの音を聞いて、矢崎粟は顔を上げて言った。「どうぞ!」
ドアが開くと、川上燕だった。
川上燕は書類の束を抱えて、にこにこしながら言った。「粟さん、私たちのスタジオの最近のリソースをまとめてみましたので、ご確認ください!」
矢崎粟は頷いて、「ええ、いいわよ」
彼女は資料を受け取って目を通した。とても分かりやすくまとめられていた。
バラエティ番組、映画やドラマの脚本、さらには各種広告のリソースが分類され、それぞれのリソースのランクや撮影に必要な事項、注意点が一目で分かるようになっていた。
この資料の中には、矢崎粟に招待状が届いているものが大半を占めていた。
バラエティ番組では、競技系のものが多かった。
脚本は数が多いものの、スタイルの変化は少なく、美人役ばかりだった。