492 価値次第

矢崎美緒は前に進み出て、小林瑞貴の手を掴んで、「でも、私にはいとこがいるじゃない。いとこが助けてくれるよね?」

小林瑞貴は彼女の媚びた様子を見て、なぜか胸が悪くなった。

彼はこの期間に何が起きたのか調べることにした。

小林瑞貴は言った。「お前の大好きな二番目の兄さんは芸能事務所にいるんじゃないのか?なぜ彼が助けてくれないんだ?」

矢崎美緒は目を光らせ、笑いながら言った。「兄さんは私に自力で頑張って欲しいって。でも昨夜の矢崎粟の傲慢な態度を思い出すと、我慢できないの」

そう言うと、彼女は小林瑞貴に抱きつき、頭を彼の体に寄せかけた。

小林瑞貴は不意に言った。「俺の女になりたいなら考えてやらないこともない。だが、リソースを与えるかどうかは、お前にその価値があるかどうかによる」