矢崎美緒は告げ口を始めた。「私と従兄の小林瑞貴は矢崎粟に殴られました。彼女は従兄を蹴り飛ばし、私の顔も強く叩いたんです。顔が火照って、とても痛いです!」
この言葉に、小林美登里さえも呆然とした。
矢崎粟は暴力を振るうような人には見えない。本当に矢崎粟がやったのだろうか?
矢崎弘は腕を組んで、冷たい声で言った。「嘘をついているんじゃないだろうな?」
彼は矢崎粟を信じていた。仮に矢崎美緒を殴ったとしても、きっと矢崎美緒が原因を作ったのだろう。
矢崎政氏は矢崎美緒を母親の腕から引き離した。「用件があるなら言えばいい。母さんのお腹に寄りかかるな。母さんのお腹が腫れて辛いのを知らないのか?」
矢崎美緒の自己中心的な性格は以前から分かっていたので、母親のことを考えるとは期待していなかった。