矢野朱里は矢野おじさんを見つめ、「今日知ったことを全部粟に話してもいいですか?」と尋ねた。
矢野寿は頷いて、「彼女に話しても構わない。もし彼女が普通の人なら、話しても意味がないどころか、危険を招くだけだ。でも彼女は優れた玄学師だから、知れば知るほど良いことだろう」と答えた。
もしかしたら、彼が長年解決できなかった難題を、矢崎粟が解決できるかもしれない。
矢野寿は何かを思い出したように、「ただし、矢崎粟以外には誰にも話してはいけない。矢野常や森田廣にも、それに伯母に会っても普段通りに接するように」と付け加えた。
矢野朱里は約束するように、「分かりました、おじさん。ご安心ください」と答えた。
これは矢野家に関わる重大な事で、彼女は必ず矢野家のことを考え、全ての行動を慎重に行うつもりだった。