520 サプライズボーナス

森田輝と田中凛は目を合わせ、同時に口を開いた。「私たち二人で一組になりましょう!」

残りの矢野常と矢崎美緒は自然と一組になった。

矢野常は表情が険しかったが、どうしようもなかった。一人で組むわけにもいかないだろう?

矢崎美緒は「私は矢野常さんと一緒の組になります」と言った。

そう言うと、彼女は矢野常の側に歩み寄り、彼の袖を引っ張って「常さん、後でよろしくお願いしますね!」と言った。

矢野常は一歩後ずさりし、目に嫌悪感が溢れんばかりだった。

小島一馬は笑いながら「組分けが決まったなら、ゲームを始めましょう。私はもう待ちきれません」と言った。

司会者は微笑んで「皆さん異議がないようですので、この組分けで行きましょう!」と言った。

その後、六人はゲームを始め、司会者が簡単にルールを説明すると、三組は開始した。

矢崎粟と小島一馬は息の合った連携を見せ、まず六点を獲得した。

その後、森田輝と田中凛もうまく連携し、三点を獲得した。残るは矢崎美緒の組だけが得点できていなかった。

矢野常は常に矢崎粟の方を見ており、その目には憧れの色が浮かんでいた。

矢崎美緒は怒り死にそうだった。彼女には理解できなかった。こんな美人が隣にいるのに、矢野常はなぜいつも矢崎粟ばかり見ているのか。

小島一馬までもが常に矢崎粟に視線を向けていた。

矢崎美緒は密かに思った。この二人は矢崎粟に呪術をかけられているのだろうか?

三組はゲームを続けた。

矢崎美緒の組の得点は他の二組より遥かに低く、矢崎美緒は罵りたいほど腹が立った。

しかし、それを表に出すことはできなかった。さもないと、番組が放送された後、また視聴者に叩かれることになるだろう。

ゲーム終了後、予想通り矢崎美緒の組が最下位となり、矢崎粟の組が一位を獲得した。

罰ゲームとして、最下位組のメンバーは他のメンバーの前で出し物を披露することになった。

矢崎美緒は怒りながらピアノを選び、準備に向かった。

矢野常はチェロを選んだ。

二人が再び舞台に上がった時、他の組の四人は既に椅子に座って出し物を待っていた。

矢崎美緒は得意な曲を選んだ。

矢野常は横で伴奏を担当した。

一曲終わると、矢崎美緒は立ち上がり、座っている四人に向かって「私の演奏はどうでしたか?」と尋ねた。