食事の後、小林美登里は矢崎美緒を連れて二階へ上がった。
食卓で、矢崎政氏と矢崎若菜は目を合わせ、今日は異常なほど平穏だと感じていた。
矢崎政氏は頭を掻きながら、不思議そうに言った。「なんだか母さんが何か隠してるような気がするんだけど」
矢崎若菜は彼を横目で見て、「母さんが何を隠すっていうの?頭がおかしくなったんじゃないの?母さんが良くなったんだから、喜ぶべきでしょ」
彼から見れば、母は病人で、もう何かをする余力はないはずだった。
矢崎政氏はため息をつき、「そうだといいけど!」
もう母の尻拭いはしたくなかった。
この間、母は呪いの毒の苦しみに耐え、外出する元気もなく、兄弟たちが苦労した。
矢崎若菜は頷いて、「きっとね、矢崎美緒が母さんを慰めて、気分を良くしたんだと思う」