竜田実子の話によると、小林家は最近たくさんの骨董品を手に入れたそうで、そうすればそれらの骨董品を要求できるとのことだった。
もし過程で小林瑞貴が本当に死んでしまっても、自分には関係ない。誰が彼女を愛さなくなったのか?
これが小林瑞貴への報いだ!
小林美登里は心が揺れたが、なかなか踏み切れず、しばらく躊躇していた。
矢崎美緒は続けて言った。「お母さん、お兄さんは妹のあなたを一番可愛がっていたでしょう。もし知ったら、きっとこの方法に賛成してくれるはずです。」
彼女は一瞬止まってから、続けて言った。「それに、従兄は海外でぶらぶらしているだけだし、帰国してからお母さんを助けられれば、きっと喜ぶはずです。」
小林美登里はしばらく考えてから、うなずいた。
兄は確かに彼女を可愛がってくれていた。子供の頃から、前回の矢野家を助ける件を断った以外は、すべての要望を叶えてくれていた。
しかし、彼女と小林瑞貴の間で選択を迫られたら、小林美登里は自信がなく、兄がどちらを選ぶか分からなかった。
小林美登里は躊躇いがちに「やっぱり、実家に電話して、家族の意見を聞いてみようかしら」と言った。
矢崎美緒は急いで「だめです。あの呪術師が強調していたように、儀式をする時は相手に知られてはいけません。相手が少しでも抵抗すれば、儀式は失敗してしまいます」と言った。
もし話したら、小林家は絶対に同意しないだろう。
矢崎美緒は説得を続けた。「この件は今は言わないでおきましょう。どうせ従兄には明らかな反応は出ないし、もし生殖能力に問題が出ても、家族は従兄が海外で遊び呆けていたせいだと思うはずです。誰もお母さんのことを疑うことはありません。」
「本当?」小林美登里はほっとした様子だった。
矢崎美緒は「お母さん、呪いの毒にかかってからどれだけ辛い思いをしているか考えてみてください。もし従兄に移せば、お母さんは回復できるんです」と言った。
この言葉に小林美登里は心を大きく揺さぶられた。彼女はもう長い間外出していなかった。お腹が腫れているため、ずっと家に閉じこもっていたのだ。
小林美登里は深く息を吸って「まずは兄に電話して、様子を探ってみるわ」と言った。
矢崎美緒は眉をしかめ、事態が変わることを心配したが、何も言わなかった。あまり多くを言えば、母親に疑われてしまうかもしれない。