なるほど、玉璧の歴代の持ち主が玉璧の中の秘密を探り出せなかったのも、地図上の場所が見つからなかったのも、地図が不完全だったからだ。
重要な経路の一部が、この絵の中に隠されていたのだ。
矢崎粟は決意を固め、岡本棉に向かって言った。「この絵を頂きたいのですが、よろしいでしょうか?」
岡本棉は絵を見て、少し驚いた。
この絵は数年前に夜市で安く買ったもので、彼女がこの美人画の出来栄えを気に入らなければ、この宝物室に飾る価値もなかったはずだ。
矢崎粟がなぜこの絵に目をつけたのだろう?
岡本棉は親切に言った。「粟、あなたは知らないかもしれませんが、この絵は私が安く買ったもので、有名な画家の作品ではありません。収集価値はそれほどないので、他の収蔵品を見てみませんか?」
彼女は矢崎粟の利益を損なうことを望まなかった。