岡本棉は悟ったように頷いた。
矢崎粟は続けて言った。「この家宝は相当な代数を経ているのでしょうね?」
「はい、清朝から伝わってきたものです」と岡本棉は誇らしげに答えた。
この宝物は売っても大した値段にはならないだろうが、代々の願いが込められているのだ。
矢崎粟は言った。「この二つの古物は風水的に守護の効果があり、あなたの家の若い世代にとって大変有益です。二つを離して置かないほうがいいでしょう。離すと守護の効果が失われてしまいます」
矢崎粟は岡本脚本家についてもある程度知っていた。
岡本棉はよく慈善活動をし、毎年原稿料の一部を寄付し、家族と一緒に福祉施設でボランティア活動もしていた。
岡本脚本家は若い頃、山間部で支援教育を行い、多くの子供たちの大学進学を支援したという。